キン肉マン第313話『真実への十四階段』あらすじ&感想です。
まずは前回のおさらい。
ジャスティスマンの案内で「聖なる完璧の山(モン・サン・パルフェ)」に乗り込んだスグルたち。
墓守鬼たちの大歓声に迎えられるジャスティスマンだったが、先の闘いで倒れたミラージュマンたちが放置されている現状を憂い、彼らの埋葬を墓守鬼たちに指示する。
「完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)」には触れることすらはばかられるが故に埋葬も出来ないでいた墓守鬼たちは安堵と歓喜に包まれる。
さらに奥へと進んだスグルたちは「超人閻魔の間」へと辿り着き、ついにザ・マンと対面するのだった…。
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313話『真実への十四階段』あらすじ
ザ・マンとの対面
「超人閻魔の間」にて遂にザ・マンとの対面を果たしたジャスティスマン一行。
レコードが回り続ける中、牢屋の中のザ・マンが口を開く。
「お前たち、モーツァルトは聴くか?」
「彼の音楽は素晴らしいな。この私が言おう…完璧だ」
呆気にとられるスグルたちをよそにザ・マンは語る。
…音楽という素晴らしい文化
…レコードプレーヤーという智慧の産物
これら神々の想像を超えるものを作り出した人類はたいしたものだ、と。
「私が守りたかったのは、こういう実り豊かな未来であった」と。
立ち上がり、スグルたちの到来を歓迎するザ・マン。
ザ・マンとジャスティスマン
そんなザ・マンに語りかけるジャスティスマン。
「ザ・マン、その牢は…実に“らしい”な」
超人墓場から出ないというゴールドマンとの約束を守り通す意志を示すためのパフォーマンスであることを語るザ・マン。
彼は続けて今の自分の心を語る。
「ゴールドマンに敗れ私は原初の悲願を達成できたが、ゴールドマンはさらにその先…超人たちのさらなる進化を確信していた」
「ジャスティスマン…お前もまたそのひとり」
「私はお前たちに愛想を尽かされたが、敗れた今、あらためてお前たち10人に胸を張ってこう言いたい」
「私は…良い弟子を持った」
そして自分にそれを気付かせてくれたのはゴールドマンともうひとり…
シルバーマンの子孫であるスグルだ、と。
真相
スグルにもあらためて謝辞を述べたザ・マンは、事の真相を話してやってほしいというジャスティスマンの求めに応じ、差し迫った事態について…まずはアリステラに語りかける。
「遥か古代に栄えたオメガの民…最盛期には地球の大部分を支配しマグネット・パワーにまで手を出そうとした彼らは、この世で最初の“神”を目指した民だった」
「それは許される思想ではない。だが許さぬのは私ではない」
「それを許さぬ大きな存在が別にいるのだ」
Ⓒゆでたまご・集英社/『キン肉マン』第313話より
そう言って天を指差すザ・マン。
「それがまさに天界の神」
Ⓒゆでたまご・集英社/『キン肉マン』第313話より
慈悲と調和
話のスケールの大きさに衝撃を受ける一行にザ・マンはさらに続ける。
「私も元は神だったが天界を降り超人になった」
「そうしたのは“超人という種を絶滅させるか、残すか”の、二つの考え方があったことに起因している」
「その思想の違いにより神の勢力も二分されており、残す派の勢力を取りまとめていたのが“慈悲の神”と呼ばれていた私であった」
「そして絶滅させる派の勢力をまとめていたのが当時の私に匹敵する絶大な力を持った神…」
「それは調和の神と呼ばれていた」
Ⓒゆでたまご・集英社/『キン肉マン』第313話より
“慈悲”と“調和”、似て非なる神の存在が明らかになるのだった…
次回につづく
感想
遂にザ・マンとご対面です。
優雅にモーツァルトなんか聴きながら人間の文化を褒めるザ・マン。
ゲギョーとかいう下品な笑いがうるさかった誰かさんとは大違いの、大物の貫禄です。
そして武者震いするような心境であろうアリステラやビビりあがるスグルを尻目に、お互い待ちわびたであろうジャスティスマンとの語らい。
袂を分かったにも拘らず笑みを浮かべながら語り合う二人の姿に、その絆の強さや、以心伝心とも言える関係が見て取れます。
ジャスティスマンに限らず完璧超人始祖とザ・マンのこういう関係性がね、いいんですよね。
で、いつでも脱出できる牢屋にわざわざ閉じこもるパフォーマンス(笑)
「あえてこういうことをやっている」ってセリフが、なんつーか洒落た大人の言い回しって感じでカッコイイです。
「余裕ぶっこきやがってゲギョー!」とか騒いでた小物に見習ってほしいものです!
Ⓒゆでたまご・集英社/『キン肉マン』第313話より
さらに、自分の過ちを認めつつ、「良い弟子を持った」という本心を素直に語るところもね、「成熟した大人の男」感が渋くて素敵です。
ザ・マンの記憶の中でもガンマンとサイコマンは「ケンカするほど仲が良い」関係だったみたいですね。
Ⓒゆでたまご・集英社/『キン肉マン』第313話より
「ガンマンとサイコマンのケンカを見た人間が作り出した話が『トムとジェリー』である」とかいうオモシロ起源説に期待したいところです(笑)
さあ、そんなこんなでザ・マンとジャスティスマン、これまた以心伝心で本題に入ります。
ザ・マンからアリステラに語られる遥か古代のオメガの民の姿…
ちょっと強くてイキってる程度の連中ではなく、地球をほぼ支配し“神”を目指した民であったこと。
それを許さぬ“天界の神”がいること。
…やっと来ましたね。
今回の一連の事柄にザ・マンや邪悪神、ついでにサタン様が関わっている以上、おそらくそれとは別の神も絡んでくるだろうという予想は多かったですし、筆者もそう思ってました。
ようやくこのシリーズの真の敵の存在を匂わせてきました!
そして「超人を絶滅させるか、否かという二つの考え方」があったことは前シリーズで明らかになってましたが、神の勢力が二分されていたというのは今回初耳?な気がします。
絶滅させない派はザ・マン(慈悲の神)ひとりで、「少人数でいいから生かしてやってくれ」というワガママをきいてもらうために神の座を降りた…ものだと思ってました。
気になって調べてみたら44巻のザ・マン下野の件で、ザ・マンは孤立してるっぽい描写がありましたね…。
Ⓒゆでたまご・集英社/『キン肉マン』第44巻より
まあ『キン肉マン』に今さら細かいことツッコむつもりも無いんですけど(笑)
そしてそして、ザ・マンに匹敵する力の“調和の神”!
もしかしてコイツかもしれませんね。
Ⓒゆでたまご・集英社/『キン肉マン』第44巻より
だって他の量産型チックなモブ神と違って凝ったデザインしてるし。
判決を下す裁判官みたいなポジションっぽいから、相応の実力者であることもうかがえますしね。
もしかしたらコレ描いた時点で今の展開の構想も多少あって、一応デザイン面で他の神と差別化しておいた…なんて可能性も、今のゆで先生ならあるんじゃないかなぁ~。
(昔なら1000%ありえないけど)
といったところでしょうか。
今回はザ・マンの独演会でしたね。
とりあえず“調和の神”が今シリーズのラスボスになりそうで、おぼろげながら終着点が垣間見えた感じですかね。
今後どういった敵キャラたちが登場するのか?
どんなリングで闘うのか?
そこら辺は次回以降のお楽しみ~…というところでショッキングなお知らせが!
1ヶ月間休載!!
ゲエーーーッ!!
まあこればっかりは致し方ないので、再会を楽しみに待ちましょう。
まとめ
前回はあまり話が進まない焦らし回でしたが、その分今回はザ・マンがたっぷり語ってくれました。
音楽という人間の文化を認め、敬意を表する。
そのような実り豊かな未来を守りたかったこと。
ジャスティスマンとは以心伝心の関係ではあるものの、ちゃんと言葉にして思いを語る。
“神”を目指した古代のオメガの民。
それを許さぬ“神”こそ、自分衣匹敵する力を持つ“調和の神”。
ザ・マンの、元・神であるが故の器の大きさ。
だからこそ完璧超人始祖との強い絆を育めたことも改めて感じられる回でした。
そしてラスボスになるであろう調和の神の存在が明かされ、今シリーズのゴールも垣間見えた感じです。
そこに至るまでにどういった闘いやドラマが展開されるのか?
俄然楽しみになってきました!盛り上がってきました!
…というところでの休載(!)
残念ではありますがインターバルが入るには良いタイミングだったとポジティブに考えて、再開を待ちましょう。
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